ヒヤリハットは書くだけでは事故は減りません。
書いたシートを事故防止に活用していないから事故が減らないのです。
どうやって活用したらいいでしょうか?
月1回の「ケース検討会議」での活用をお勧めします。
ヒヤリハットシートは沢山提出されますので、その中から「課題シート」を1枚選んでそのシートのケースについて「原因は?」「防止対策は?」の検討を行います。
すぐに効果が出ない場合もありますが、長く続ければ続けるほど、事故は減ります。
ケース検討の進め方
(1)ヒヤリハットシートの記入・提出
◎記入方法のポイント
・事故とヒヤリハットの違いをルールとして決める。(施設内・法人内で決める)
・見聞きした事実のみを記入するのではなく、発生する前のご利用者の身体時機能の状況や環境なども記入する。
(2)課題シート抽出
◎抽出ポイント
・頻繁に起こっていること(起こりそうなこと)
・事故に至った時、大きな損害につながること
(3)原因究明(原因究明会議)
◎原因究明のポイント
・課題シートとして選んだヒヤリハットを原因究明シートに転記して、参加者に事前に
配布する。
・当日、参加者が考えてきた原因を全て出し合いまとめる。
・次回、は各自が「この原因にこの対策が効果的」という対策を考え持ち寄る。
(4)防止対策検討(防止対策検討会議)
◎防止対策検討のポイント
・持ち寄った対策の中から実際に取り組む対策を採用する。
・なるべくコストや時間がかからない対策
・職員の労力が増えない対策
(5)防止対策の実行・評価
・実行することが決定されたら、実行して効果を評価する。
・効果は数値として測定できることは稀ですから、話し合いで効果を決定することが多くなります。
・「未然防止策」「直前防止策」「損害軽減策」の3つの対策をバランスよく組み合わせることで、効果的な対策になります。
この5つのステップの中で一番大事なのは
(3)原因究明(原因究明会議)
です。
この原因究明のやり方を失敗しなければ、うまくいきます。
失敗するやり方としては、複数出てきた「考えられる原因」を1つにまとめてしまう事です。
ヒヤリハットの事故は1つの原因では起こりません。
色んな原因が複合的に絡み合って起こるのが事故です。
ケース検討での原因究明の方法
3つの種類に分けて、推定される原因を沢山出し合ってみる。
「洗い出し」
これが勉強になります。
3つの原因というのは
(1)利用者側の原因
(2)介護者側の原因
(3)福祉用具・生活用具・設備などの原因
です。
特に重きを置いているのは
(1)利用者側の原因
です。
まだまだ気が付いていない事故の原因を持っているのでは?
という観点が重要です。