当たり前の話からさせていただきます。
皆さんが携わっている「介護」という仕事は、どういう仕事ですか?
言われなくてもわかっていると思いますが、
介→「紹介」「仲介」といった、人と人の間に入ります
護→「護る」
人が人の間に入って護っていきましょうという仕事になります。
では、何を護っていくのかというと
人(職員)が人(入居者・ご利用者)が生活することを支援(援助)する仕事
その中で、どういうふうにしていくかということになりますが、
人が生活するというのは、ただ単に呼吸をしていて、栄養を摂っていて、心臓が動いているだけではないです。
当然のことながら、ご利用者の好みであったり、ご利用者とのコミュニケーションをとっていきながら、安心してお過ごししていただけるような環境つくりということも大切ですが、「その人らしくあること」ということ。
単に一律で業務として提供すればいい!ということではなく、その方らしく生きていただけるような生活をサポートしていただく仕事です。
「人が生活すること」に伴うリスクは避けられない!! でも避けたい!!
人が生活していくにはいろんな場面があります。
食事→誤嚥
入浴→転倒、溺水
トイレ→転倒
ベッド→転倒、転落
車いす→転倒、ずり落ち
歩行→転倒
人が生活していくのにはいろんな場面がありますが、そういった中で起こってくる様々な危険性であったり不確実性というのは、避けようと思っていてもなかなか避けられないです。
どういうことかといいますと、ただ単にご利用者や入居者だけがすることではないです。
我々もします。
食事もします。
入浴もします。
ご利用者や入居者だけ危険な事ではないです。
我々が通常生活しているなかで、見逃していることもあります。
例えばどういうことかというと、
何もないところで躓いたことはありませんか?
健常者であったら筋力が残っているから転倒することはないかもしれませんが、筋力が落ちてきている高齢者であったり、障害や病気をお持ちの方でしたら、転倒してしまうかもしれないです。
健常者が持っている同じ危険性がご利用者にも起こるかもしれないです。
食事の時に、ムセたことはありませんか?
これは誤嚥(ごえん)です。
誤嚥(ごえん)したことで窒息してしまったことがないだけで、同じことが健常者にも起こってきます。
何か特別な事だから、目を光らせておかなければいけないというよりも、健常者にも同じ危険性があります。
それが大きな結果につながってしまう可能性が高いということで、何か特別な事に気を付けていきましょうということではないです。
日常生活を続けていく中で、
例えば施設の中で肩をぶつけてしまいそうな場所があったとします。
私がぶつけしまそうになることは、他の人もぶつかりそうになる可能性が高いということです。
それがご利用者であったり入居者であったらどうでしょうか?
チョットした段差があったとします。
健常者であったら何でもない段差でも、ご利用者または入居者であったらどうでしょうか?
ご利用者または入居者にとって分かりづらい段差でしたら、「段差があります」とお知らせをすることで避けられることもあります。
健常者は何もなかったからそのままになってしまっていることが多いですが、ご利用者または入居者にとってはどうでしょうか?
特別のことをしていきましょうということよりも、健常者が通常の生活の中で感じていること、感じられることに、ちょっとアンテナを敏感にすることによって防げたり、確実性が高くなることが沢山あるのではないかと思います。