ヒヤリハット活動を行っても事故が減らない1つ目の理由

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ヒヤリハット活動は、どこの施設でもやっています。

ただ、「ヒヤリハット活動を行って、事故は減りましたか?」と聞くと、ほとんどの施設では減っていません。

ヒヤリハット活動を行っても事故が減らない理由が2つあります。

(1)基本活動をやらずにヒヤリハット活動を行っている。

(2)ヒヤリハット活動のやり方そのものが間違っている。

です。

基本活動とは?

A安全ルールの徹底

介護のやり方・介助の方法には、「こんな危険なやり方はやってはいけない」というルールがあるのにもかかわらず、ルールを破って事故を起こすモラルの低い職員がいます。

→絶対に止めさせなければいけません。

職員がルールを守るための職場の条件が欠けている職場でルール違反が起きます。

個人の問題ではないです。

職場の問題です。

☆職員がルールを守るための職場の条件

①誰でも分かるように文書にして徹底しなければならない。暗黙の了解はルールとして機能しない。

②罰則のないルールは守らない人もいるので、罰則を徹底する。罰則を新たに作ることではなく、周知してください。

(例)
こんな危険な介助をやってはいけないというルールを破って事故を起こして、利用者が亡くなった。職員はどのような罰則を受ける可能性があるでしょうか?

3つあります。

1、懲戒解雇
2、施設がご遺族に支払った賠償金を求償されます。
3、業務上過失致死

それでもルール違反をしますか?

B危険発見活動(リスクアセスメント)

この活動は、すごく効果があり、キチンと行えば大幅に事故は減ります。

①施設の管理に関する危険の改善

■用具・道具の安全点検
モノは使っていればいつかは壊れます。用具などの不具合で起こる事故の原因は、「安全点検のルールがないこと」

利用者個人の所有物でも、福祉用具であれば施設側に安全管理の義務があります。

■建物・設備の安全性の点検
建物については仕方がない部分もありますが、設備については、年々良くなっています。トイレの前手すり、浴室のシャワーヘッド(ボタンでお湯が出る)等
要らぬ負担が作業にかかることは、危険な状態になります。安全な介護環境は、管理者の義務になってきています。
費用はかかってしまいますが、安価で販売されるようになってきていますので、事故防止の観点から一考が必要になります。

年一度の危険個所総点検活動
職員全員に「こんなところが危険」という個所を書き留めてもらい、提出してもらいます。(期間は一週間)
その後、エクセルにて集計します。
職員間での危険個所順位が出ます。
対策を順位の高い方から実施します。

危険個所総点検活動を行う時期
5月の連休明け以降をお勧めします。
4月は、新しい職員が入職したり、法人(施設)内での異動があります。
経験がある方もいると思いますが、
「こっちの施設では当たり前と思っていたことが、こっちの施設では無い」
同じ環境にずっといると、マヒをしてしまいます。

「新しい目で見つけてもらいましょう」

という意味で、5月の連休明けをお勧めします。

■介護動作の見直し
従来からの介助動作は、介助する側の動作だけを勝手に決めておいて、介助される利用者がどういう動作をするのかを一切無視されていました。その結果利用者は、やったことのないような無理な動作をとらされていました。
その結果、事故の危険が高くなると同時に、介護者の負担が重くなりました。
ですので、新しいやり方を導入していってください。

■業務手人の見直し
誤嚥防止のために行ったことを紹介します。
食事姿勢の見直し
車椅子のまま食事をすると、どういう食事の姿勢になるでしょうか?
75度ギャッジという表現をします。
車椅子の背もたれが後ろに傾斜しているために、また、フットレストに足を乗せるために反り返るような姿勢になります。
この姿勢は嚥下機能に問題がない方でも気管に混入しやすくなりますし、食事はできません。
食事をするときには、足は床につけて、チョット重心を前にして、食べ物を上から下に見下ろして、下から上に口へ運びます。
これが嚥下の仕組みにあった姿勢なので、やっています。
食事のたびに椅子に移乗してもらって、前かがみの姿勢をとってもらうのは無理があります。
車椅子上で前かがみの姿勢をとってもらうにはどうしたらいいか?
クッションを創ってみてはどうでしょうか?
背中と背もたれの間に入れて、傾斜を無くすように
フットレストから足を下した状態で、もし足がつかないようでしたら足台も必要になります。
車椅子上で前かがみの姿勢で食事がとれるようになると、今まで咽ていた利用者の改善が見込まれるのではないでしょうか?
咽は誤嚥のヒヤリハットです。
気管にモノが入りそうになったのを、自分で出そうとするのが咽です。
前かがみの姿勢が咽ない姿勢ではないでしょうか?

■食事形態の見直し
食事形態も変わりました。
「キザミ」「ミジン」と言っていたのが、「キザミ」「ミジン」「極キザミ」「極ミジン」等々
「キザミ」「ミジン」のすべてがNGとは言いませんが、少なくとも、硬いものを細かく刻むのは意味が無いと言われてます。
トロミをつけようが意味がありません。
新しい食事形態として出てきてるのが、呼び名(ソフト食・ムース食・嚥下食等々)は色々ありますが、
粘りがあって、まとまりやすくて、口の中でバラバラにならない形態です。
口の中でバラバラになるというのは、誤嚥しやすいんです。
ソフト食は、食塊形成がしやすいので、飲み込みやすい
過去には当たり前だったことが、実は違いました。
という事が沢山出てきました。
ですので、新しいことを取り入れるようにしてください。

②利用者個別の危険把握と対処
■入所前面談での身体機能や行動状態の把握
入所前の利用者自身に、どのようなリスクがあるのかを、キチンと把握をしてください。

本入所に限って言えば、それほど問題はないと思いますが、問題が多いのは短期入所(ショートスティ)です。

短期入所(ショートスティ)の初回利用時の事故率は、ものすごく高いです。

この利用者にどんなリスクがあるのかを把握していないと、

エェ~!?

という事が起こります。

ケアマネージャーの情報提供不足も要因の一つと考えます。

利用者の身体機能とかは変化します。

機能が向上する方はなかなかいないです。

身体機能の確認、介助方法に確認をしてください。

 

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コメント

  1. 上嶋 より:

    ルールは何のためにあるか。それは、維持するためです。安全を守るための知識を維持するためにルールを作り維持しようとしています。でも、ルールが生きていない、死んだルールは無視されてしまいます。ルールの限界を感じます。ルールで維持するのではなく物の改善で対応することも大切です。不便なもの、勘違いしやすい物、手のかかる物をもっと、便利なのの、分かりやすいもの、維持に手のかからない物にかえるのです。
    物はつぶれます、つぶれたことが目に見えます、その時、つぶれたものを取り換えれば維持されます。ルールは、目に見えません、いつの間にか死んでいきます。だから維持するのが難しい。問題の原因に人を探すのではなく、物に求めることがその意味でベストだと思います。

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