(3)ドミナント・ストーリー/オルタナティブ・ストーリー
では、ナラティブ・アプローチは、臨床の現場でどのように使われているのでしょうか。すこし触れておくことにします。
ホワイト=エプストンは、患者の状況を支配している一般的な物語を、「ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)」と呼んだのです。ドミナント・ストーリーは、患者が置かれている、多くは精神的な苦痛の源泉となっている支配的なナラティブ(思い込みの物語り)だとしています。
(3)ドミナント・ストーリー/オルタナティブ・ストーリー
では、ナラティブ・アプローチは、臨床の現場でどのように使われているのでしょうか。すこし触れておくことにします。
ホワイト=エプストンは、患者の状況を支配している一般的な物語を、「ドミナント・ストーリー(思い込みの物語り)」と呼んだのです。ドミナント・ストーリーは、患者が置かれている、多くは精神的な苦痛の源泉となっている支配的なナラティブ(思い込みの物語り)だとしています。
(2)物語の語りの3つの側面
「物語」という言葉の文脈から重要と思える次の3つの側面について考えます。
①物語は、「時間」によって配置される
②物語は、「他者」に向かって語られる
③物語は、「編集」される
上記の三つを踏まえ、次のようなことが起こったと仮定します。
(1)ナラティブとは
ナラティブ(narrative)という言葉はあまり耳慣れない方も多いのではないでしょうか。名詞化した「ナレーションnarration」を思い浮べてもらえればわかりやすでしょう。
ナラティブとは、
(3)話しをすることの効用
一般的に、話しをすることの効用について以下のような説明がなされます。
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(2)感情労働の概念
感情労働という概念は1970年代にアメリカで生まれ、客室乗務員の調査研究をまとめた社会学者、A・R・ホックシールドの『管理される心 感情が商品になるとき』によって知られるようになりました。
相手(=顧客)の精神を特別な状態に導くために、自分の感情を誘発、または抑圧することを職務にする、精神と感情の協調が必要な労働のことをいいます。
日本では主として、看護や介護の分野で研究が積み重ねられているようです。
感情労働は本来、「外の顧客を相手にした仕事」介護の仕事やクレーム処理、コールセンター業務などをする人に焦点を当て、「外の顧客を相手にした仕事」をする人を対象としていたようですが、今や感情労働は、顧客と対面する職業という枠を超え、広がりを見せています。
顧客という概念を、職場内の上司や部下などに置き換えても、感情労働の定義は成立するのではないかと、私は思えるのです。
職務を遂行していく過程において、苦痛を感じたり、怒りをかきたてられたり、虚(むな)しさにとらわれたり、不安感が頭から離れなかったりする状況を作り出すのは、何も顧客ばかりではありません。
同じ職場で働いている人達にも同じような苛立ちを感じることは良くあるからです。
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1.「感情労働」とは
(1)「感情労働」に興味を抱いた理由
私が人財育成アドバイザーとして、初めて仕事をいただいたのは、介護施設の職員向けの研修でした。
求められた研修内容は「入社3年目の社員」が対象で、今後のためのモチベーションを高めることのできるような内容ということでした。
とても、ザックリとした依頼内容でしたが、初めて仕事、逃すわけにはいきません。
どのような内容にすれば良いのか、考えました。
「う〜ん」
私自身が、介護の職場で働いたことがないので、ニーズが掴めませんでした。
悩んでいると、ふと「感情労働」という言葉が脳裏に浮かび上がったのです。
皆さんは「感情労働」という言葉をご存知ですか?
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初めまして、人財育成アドバイザーの原です。
私は、35年もの間、茨城県内に拠点があるスーパーマーケットで働いてきました。
長年働いていると、当然のように職務が変わっていきます。まだ、若かった30歳代前半に、「人材育成部門」に配属されました。
その時の経験がとても印象深く私の脳裏に刻み込まれ、チャンスがあれば、人材育成コンサルタントのような仕事ができればとの思いを胸に押し込みながら働いてきましたが、セカンドキャリアは、人生に悔いを残さないために、人材育成コンサルタントとして歩んでいく決意をしました。
そして、今回は読者の方々に人材育成のヒントにつながるようなことをお伝えしようとの思いでペンを取ることにしました。
読んで頂いた方々に何かしらのヒントやお役に立つことをお伝えできれば幸いです。